血友病 歯 治療

血友病と歯の治療

血友病の子供を持って一番つらかったのが虫歯の治療でした。
長男の横の歯に小さな穴がありレントゲンを撮ってもらったところ左右上下に一箇所ずつ根元から虫歯になりかけていました。

 

NZの仕組みで小学校にデンタルクリニックが設けられていてそこには非常勤務している歯科看護士がいます。
小学校へ上がる前の子と小学生はそこで歯の治療を受けます。
一般の歯科医ではそれくらいの歳の子は治療してもらえません。
長男はハミルトンの病院で専門医の下で治療することとなり治療者リストに名前を載せられ待つことになりました。

 

NZの公立病院での治療は一般的に無料なのですが時には待たされるデメリットもあります。(無料と言ってもNZ国民か永住権保持者に限ります。)
待てど暮らせどハミルトンの病院から連絡もなく息子の虫歯は悪化するばかりでした。痛みももちろん増すのでかわいそうに思い街の歯医者に連れて行けば学校のデンタルクリニックで見てもらいなさいと言われるだけでした。

 

デンタルクリニックではすでに「血友病だから治療できない、何かあっても責任が取れない。」と言われていました。
うちの子は血友病と言っても軽いほうなので大丈夫、たとえ出血したとしてもロトルア病院に連れて行けばハミルトンの専門医の指示の元で
治療が受けられる手はずになっている、と訴えたのですが誰も治療をしてくれませんでした。

 

 

ロトルアの病院の小児科の責任者にも、病院付属の歯科医にも交渉しました。
「歯科医が息子の歯の治療して、出血したらあなたが指示をあおってケアしては?」
と食いつくように小児科の責任者に言い寄りました。

 

血友病発覚後、この地元の小児科の責任者が出血の際の治療を行うことになっていました。
しかし、彼の言い分は「人の命はそんなに単純ではない。ハミルトンに行けば血友病専門の歯科医もいる。ここにはいないから待つべきだ。」と言うだけでした。

 

彼がやってくれたことは早く対処をするように連絡を入れてくれただけでした。
約1年近く待たされたでしょうか。やっと連絡が来てハミルトンの病院で治療することとなりました。と言うより抜歯手術となりました。

 

そこの歯科医になぜこんなになるまで放って置かれたのかわからない、早く治療すれば抜かずにすんだのに、と言われたくらいです。
そのときを境に、息子たちは学校のデンタルクリニックで定期的に検査を行ってもらっています。
息子の血友病の症状が軽いからといって、歯医者に対しての事前調査が甘かったのと、日ごろから歯磨きの徹底が甘かったと教訓となりました。

 

 

血友病キャンプで知り合った人にこのことを話すと同じような経験をした人もいました。
なかには、血友病だと明かさないで歯医者で治療してもらい出血すれば病院へ、と言う大胆な人もいました。

 

また、キャンプに参加して同じ地元に血友病者が何組かいることを知りました。

 

ハミルトンでの担当医も変わってか地元に血友病者が増えたからか次男が虫歯になりかけたころは簡単な治療であれば学校のデンタルクリニックでできるようになりました。

 

いつも、長男が険しい道を歩き、その後、歩きやすくなったところを次男が歩いていく感じです。
何事も甘く見すぎてはいけないし、複雑に捉えすぎてもだめなんだと思いました。